
結論からいうと、相続したマンションを売却するときは、「相続登記をすればすぐ売れる」と考えるのではなく、管理費・修繕積立金、管理状態、室内の状態、住宅ローンや抵当権、取得費が分かる書類などを早めに確認することが大切です。
特にマンションは、室内だけでなく「マンション全体の管理状態」が購入希望者の判断材料になります。
親からマンションを相続したものの、
「まず何を確認すればいい?」
「荷物が残っていても売れる?」
「管理費や修繕積立金はいつまで払う?」
「古いマンションでも売却できる?」
と迷う方も多いでしょう。
相続したマンションを売却するときの主な確認ポイント
① 相続人と登記名義
② 管理費・修繕積立金
③ 滞納の有無
④ 管理規約・使用細則
⑤ 大規模修繕や修繕計画
⑥ 室内の状態・家財
⑦ 住宅ローン・抵当権
⑧ 購入時の契約書など取得費の資料
⑨ 売却後の税金
ここでは、西宮市で相続したマンションを売却するときに確認しておきたいポイントを順番に解説します。
① まず相続人とマンションの名義を確認する
最初に確認したいのは、マンションの現在の登記名義です。
亡くなった親の名義のままになっている場合は、売却に向けて相続登記を進める必要があります。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
兄弟姉妹など複数人でマンションを相続する場合は、誰が取得するのか、共有にするのかなども確認しましょう。
共有名義となったマンション全体を売却する場合は、原則として共有者全員の合意が必要です。
② 管理費・修繕積立金を確認する
戸建てとの大きな違いの一つが、管理費や修繕積立金です。
相続したマンションを誰も利用していなくても、所有している間は管理規約等に基づく管理費や修繕積立金などの負担が続きます。
そのため、相続後は早めに現在の月額を確認しましょう。
毎月・毎年の維持費を確認
□ 管理費
□ 修繕積立金
□ 駐車場・駐輪場などの使用料
□ 固定資産税・都市計画税
□ 火災保険など
□ その他管理組合への負担金
売却するか残すか迷っている場合でも、年間でどれくらい維持費がかかっているのかを数字にすると判断しやすくなります。
③ 管理費などの滞納がないか確認する
亡くなった方が管理費や修繕積立金などを滞納していなかったかも確認しましょう。
相続後に口座が凍結されたことなどにより、引落しが止まっているケースも考えられます。
管理会社や管理組合へ連絡し、支払状況や今後の支払方法を確認しておくと安心です。
④ 管理規約・使用細則を確認する
マンションには、それぞれ管理規約や使用細則があります。
ペット飼育、リフォーム、駐車場、専有部分の使用方法などについてルールが定められていることがあります。
購入希望者から質問されることも多いため、売却前に資料を揃えておきましょう。
探しておきたいマンション関係の資料
□ 管理規約
□ 使用細則
□ 長期修繕計画
□ 総会資料
□ 管理費・修繕積立金が分かる資料
□ 駐車場・駐輪場関係の資料
□ 購入時のパンフレット・図面
⑤ 大規模修繕・修繕積立金の状況も重要
中古マンションを検討する買主にとって、建物全体の維持管理は重要な判断材料です。
築年数だけを見るのではなく、大規模修繕の実施状況や今後の修繕計画、修繕積立金などについて確認されることがあります。
今後、修繕積立金の変更や一時金の徴収などが予定されている場合は、その内容についても確認しておきましょう。
「築年数が古い=売れない」ではなく、どのように管理されてきたマンションなのかも大切です。
⑥ 室内の家財は全部片付けてから査定する?
相続したマンションには、家具・家電・衣類・食器などがそのまま残っていることがあります。
査定前にすべて処分する必要はありません。
家財が残っている状態でも査定できる場合があります。
先に処分費用をかけるのではなく、現在の状態で査定を受け、仲介・買取などの売却方法を決めてから片付ける範囲を考える方法もあります。
⑦ 売却前にリフォームした方がいい?
築年数が古く、室内も傷んでいると、「リフォームしてから売った方が高く売れるのでは?」と考えることがあります。
しかし、必ずしも売主側でリフォームした方が有利とは限りません。
買主が自分好みにリフォームしたい場合もあります。
また、リフォーム費用をかけても、その金額以上に売却価格が上がるとは限りません。
大きなリフォームをする前に、まず現状のまま査定を受けましょう。
⑧ 住宅ローン・抵当権を確認する
マンションに住宅ローンが残っていないか、登記簿に抵当権が残っていないかも確認します。
住宅ローンを組んでいた方が亡くなった場合、団体信用生命保険によってローンが完済されるケースもあります。
ただし、契約内容によって異なるため、金融機関へ確認しましょう。
ローンが完済されていても抵当権抹消登記が済んでいない場合がありますので、登記内容も確認しておくと安心です。
⑨ 相続したマンションの査定では何を見る?
マンションの査定では、同じマンションや周辺マンションの成約事例だけでなく、部屋ごとの条件も確認します。
マンション査定で確認される主なポイント
・所在階
・専有面積
・間取り
・向き・日当たり
・眺望
・室内の状態
・駅からの距離
・管理状態
・管理費・修繕積立金
・大規模修繕などの状況
・周辺や同一マンションの取引事例
同じマンションでも、階数・向き・室内状態などによって査定価格が異なることがあります。
⑩ 仲介と買取のどちらで売る?
相続したマンションも、仲介と不動産会社による買取の両方を検討できます。
仲介では、不動産会社が購入希望者を探して売却します。
買取では、不動産会社が直接買主になります。
「できるだけ条件よく売りたい」「早く現金化したい」「遠方に住んでいる」「室内の荷物が多い」など、優先したい条件を整理して比較しましょう。
⑪ 親が購入したときの売買契約書を探す
相続したマンションでは、購入時の売買契約書などを簡単に処分しないことが大切です。
相続した土地・建物を売却した場合、取得費は原則として、亡くなった方が購入したときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。
また、取得時期についても原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。
実家の片付けで探しておきたいもの
□ マンション購入時の売買契約書
□ 購入時の領収書
□ 仲介手数料などの資料
□ リフォーム関係の契約書・領収書
□ 登記関係の書類
□ マンション購入時のパンフレット・図面
⑫ 売却したら税金はどうなる?
相続したマンションを売却して譲渡益が出た場合は、譲渡所得に対して税金がかかる場合があります。
基本的には、売却金額から取得費や譲渡費用などを差し引いて譲渡所得を計算します。
相続したマンションでは、相続した日を取得日として計算するのではなく、原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。
そのため、長期譲渡所得・短期譲渡所得の判定でも、亡くなった方が取得した時期が重要になります。
⑬ 相続税を払った場合は「取得費加算の特例」も確認
マンションを相続した際に相続税が課税されている場合は、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用できる可能性があります。
一定の要件を満たして期限内に売却すると、相続税額のうち一定額を売却した不動産の取得費に加算できる制度です。
利用できる期間が決まっているため、「いつか売ろう」と長期間そのままにせず、相続税を支払っている場合は早めに確認しましょう。
⑭ 「相続空き家の3,000万円控除」はマンションも使える?
ここは間違えやすいポイントです。
一般に「相続空き家の3,000万円特別控除」と呼ばれる被相続人の居住用財産の特例は、対象となる家屋について区分所有建物登記がされている建物ではないことなどの要件があります。
そのため、一般的な分譲マンションの一室について、この特例を当然に利用できると考えないようにしましょう。
利用できる税制特例は物件や相続状況によって異なるため、売却前に税務署や税理士へ確認することをおすすめします。
⑮ 遠方に住んでいても売却できる?
相続したマンションが西宮市にあり、相続人は東京や九州など遠方に住んでいるケースもあります。
その場合でも、相談や査定の打合せ、販売状況の報告などを電話・メール・オンラインで進められる場合があります。
手続きによっては郵送や電子的方法などを利用できる場合もあります。
ただし、本人確認や必要書類の確認などは必要です。
遠方から売却する場合は、西宮市のマンション市場や管理状況の確認に対応できる地元の不動産会社へ相談すると進めやすくなります。
⑯ 誰も住まなくても維持費は続く
相続したマンションを空室のまま所有していても、管理費・修繕積立金・固定資産税などの負担は続きます。
そのため、今後自分や家族が利用する予定がない場合は、「とりあえずそのまま」にするのではなく、売却・賃貸・所有継続を比較してみましょう。
現在の査定価格と年間維持費を把握するだけでも、今後の判断がしやすくなります。
よくある質問
Q1. 相続登記が終わっていなくても査定できますか?
査定や売却相談を先に始められる場合があります。
ただし、実際に相続したマンションを売却するには登記手続きが必要になるため、不動産会社への相談と並行して司法書士などへ確認しましょう。
Q2. 家財が残ったままでも査定できますか?
査定できる場合があります。
先に全部処分するのではなく、現在の状態で査定を受けてから片付ける範囲を決める方法もあります。
Q3. 古いマンションはリフォームしてから売った方がいいですか?
必ずしもリフォームした方が有利とは限りません。
買主自身がリフォームしたい場合もあるため、大きな費用をかける前に現状の査定価格とリフォーム後に期待できる価格を比較しましょう。
Q4. 管理費を滞納していたら売れませんか?
滞納があるから直ちに売却できないと決まるわけではありませんが、売買に影響する重要な事項です。
管理会社・管理組合へ滞納額を確認し、不動産会社と精算方法などを相談しましょう。
Q5. 相続したマンションをすぐ売ると税金が高くなりますか?
「相続してすぐ売った」という理由だけで短期譲渡所得になるわけではありません。
相続した不動産では原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。相続税を支払っている場合には取得費加算の特例を利用できる可能性もあります。
Q6. 誰も住まないなら早く売った方がいいですか?
必ずしもすぐ売却する必要はありません。
ただし、空室でも管理費・修繕積立金・固定資産税などの負担は続きます。現在の査定価格、年間維持費、将来利用する予定などを比較して判断しましょう。
まとめ|マンションは「部屋+建物全体」を確認して売却する
相続したマンションの売却では、室内の状態だけを確認すればよいわけではありません。
管理費・修繕積立金、管理規約、大規模修繕など、マンション全体の状況も売却に関係します。
売却前に確認したい8つのポイント
① 相続人・登記名義
② 管理費・修繕積立金と滞納
③ 管理規約・使用細則
④ 大規模修繕・管理状態
⑤ 家財・室内の状態
⑥ ローン・抵当権
⑦ 親が購入したときの契約書
⑧ 売却後の税金・利用できる特例
「相続したからとりあえず売る」のではなく、まずマンションの現在の価値と維持費、管理状態を確認することが大切です。
西宮市で相続したマンションの売却を検討している場合は、家財を処分したりリフォームしたりする前に、まず現在の状態で査定を受けてみましょう。
あわせて読みたい





