
「相続した実家を売却したけれど、確定申告は必要?」
「売却代金が入ったら、その金額全部に税金がかかるの?」
「親が昔買った家なので、購入金額が分からない」
相続した不動産を売却した後、このような疑問を持つ方は少なくありません。
不動産を売却した場合、基本的には「いくらで売れたか」ではなく、売却によって利益(譲渡所得)が出たかどうかが重要になります。
また、相続した不動産には、親など被相続人が購入したときの取得費を引き継ぐという特徴があります。
この記事では、西宮市で相続した実家・土地・マンションなどを売却した方に向けて、確定申告が必要になるケースや譲渡所得の考え方、利用できる可能性がある特例について分かりやすく解説します。
まず確認したいポイント
□ 不動産はいくらで売れた?
□ 親などが購入したときの金額は分かる?
□ 購入時の売買契約書は残っている?
□ 売却時に仲介手数料などの費用を支払った?
□ 相続税を支払った?
□ 被相続人が住んでいた空き家だった?
□ 利用できる税制上の特例はない?
相続した不動産を売却したら確定申告は必要?
相続した不動産を売却したからといって、売却代金そのものにそのまま税金がかかるわけではありません。
不動産の売却によって譲渡所得(売却による利益)が生じた場合は、原則として確定申告が必要になります。
また、譲渡所得が出ていない場合でも、税制上の特例を利用するために確定申告が必要になるケースがあります。
POINT
「相続したから確定申告が必要」なのではなく、相続した不動産を売却した結果と、利用する特例によって確定申告が必要かを判断すると考えると分かりやすいでしょう。
売却代金すべてに税金がかかるわけではない
譲渡所得は、おおまかに次のように計算します。
譲渡所得 = 売却代金 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除
たとえば3,000万円で売れたからといって、3,000万円全部が利益になるわけではありません。
購入したときの取得費や、売却するために直接かかった費用などを差し引いて計算します。
相続した不動産の取得費はどう考える?
相続した不動産の場合、「相続したときの不動産価格」をそのまま取得費にするわけではありません。
原則として、亡くなった親など被相続人がその土地・建物を購入したときの購入代金や購入手数料などを引き継いで計算します。
そのため、実家を片付ける際に、昔の売買契約書や領収書などが出てきた場合は処分せず保管しておきましょう。
昔の売買契約書がない場合は?
取得費が分からない場合などには、売却金額の5%相当額を取得費として計算できる方法があります。
ただし、実際の購入金額がもっと高かった場合には、5%で計算することで譲渡所得が大きくなり、結果として税負担が増える可能性があります。
古い売買契約書を捨てないで
相続した実家の片付けでは、古い書類をまとめて処分してしまうことがあります。
しかし、購入時の売買契約書は将来の税金計算で重要な資料になる可能性があります。処分する前に内容を確認しましょう。
売却するときにかかった費用も確認する
不動産を売却するために直接必要となった費用は、譲渡費用として売却代金から差し引けるものがあります。
- 不動産会社へ支払った仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 売却のために必要となった一定の測量費
- 売却のために建物を取り壊した場合の一定の解体費用
一方で、修繕費や固定資産税、通常の維持管理費などは、一般的にそのまま譲渡費用になるものではありません。
領収書や請求書、振込記録などは売却後も保管しておきましょう。
相続した空き家なら「3,000万円特別控除」を使える可能性がある
亡くなった親などが住んでいた家を相続して売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
これが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」です。
ただし、どの相続空き家でも利用できるわけではありません。
- 被相続人が居住していた家であること
- 建築時期など一定の要件を満たすこと
- 売却時期の要件を満たすこと
- 売却価格などの要件を満たすこと
- 相続後の利用状況などの要件を満たすこと
など、細かな条件があります。
また、2024年1月1日以後の譲渡では、対象となる家屋・敷地を取得した相続人が3人以上の場合、控除額の上限は1人あたり2,000万円となります。
この特例を利用する場合は確定申告が必要です。
相続税を払った人は「取得費加算の特例」も確認
相続税を支払った人が、相続した不動産を一定期間内に売却した場合、支払った相続税のうち一定額を取得費に加算できる特例があります。
取得費が増えることで譲渡所得が小さくなり、税負担を抑えられる可能性があります。
主な条件として、相続や遺贈によって財産を取得していること、その人に相続税が課税されていること、一定期間内に売却していることなどがあります。
この取得費加算の特例を利用する場合にも確定申告が必要です。
相続人が複数いる場合は誰が確定申告する?
兄弟姉妹など複数の相続人で不動産を相続して売却した場合は、「代表者が1回だけ確定申告すれば終わり」とは限りません。
不動産の取得割合や売却代金の取得割合などに応じて、各相続人に譲渡所得が生じる場合があります。
換価分割などを行う場合は、遺産分割協議の内容も関係するため、売却前から税理士などへ確認しておくと安心です。
確定申告はいつする?
不動産を売却した場合の確定申告は、原則として売却した年の翌年に行います。
たとえば2026年中に相続不動産を売却した場合は、2027年の確定申告期間に申告することになります。
申告期限は年によって日付が変わることがあるため、実際に申告するときは国税庁の最新情報を確認しましょう。
売却後の確定申告に備えて残しておきたい書類
売却後も保管しておきたいもの
□ 売却時の売買契約書
□ 親などが購入したときの売買契約書
□ 仲介手数料の領収書
□ 測量費などの領収書
□ 解体費用などの領収書
□ 相続関係の書類
□ 相続税申告関係の書類
□ 特例の適用に必要となる各種証明書
売却前から税金を確認しておくのがおすすめ
相続不動産の税金は、売却が終わってから初めて考えるより、売却前に確認しておく方が安心です。
特に、
- 親が購入した金額が分からない
- 相続税を支払っている
- 相続した空き家を売却する
- 相続人が複数いる
- 売却益が大きくなりそう
といった場合は、売却前に税理士や税務署などへ確認しておくとよいでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 相続した不動産を売ったら必ず確定申告が必要ですか?
必ずとは限りません。売却によって譲渡所得が生じたか、利用する特例があるかなどによって判断します。
Q2. 3,000万円で売れたら3,000万円に税金がかかりますか?
いいえ。売却代金から取得費や譲渡費用、適用できる特別控除などを差し引いて譲渡所得を計算します。
Q3. 相続したときの不動産評価額が取得費になりますか?
原則としてそうではありません。被相続人が購入したときの購入代金や購入手数料などを基に取得費を計算します。
Q4. 親が買ったときの金額が分からない場合は?
取得費が分からない場合などは、売却金額の5%相当額を取得費とする方法があります。ただし税額に大きく影響する可能性があるため、まず昔の売買契約書などを探しましょう。
Q5. 相続空き家の3,000万円特別控除を使う場合も確定申告が必要ですか?
はい。特例の適用を受けるためには、必要書類を添付して確定申告をする必要があります。
Q6. 相続税を払っている場合、売却時の税金を減らせることがありますか?
一定の要件を満たせば、相続税の一部を取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用できる可能性があります。
Q7. 不動産会社に確定申告までお願いできますか?
不動産会社は売却に必要な資料や売却費用の整理などをお手伝いできますが、個別の税務判断や税務代理は税理士の業務になります。必要に応じて税理士などの専門家へ相談しましょう。
あわせて読みたい関連記事
▶ 【2026年版】相続不動産の売却代金は相続人でどう分ける?|西宮市で換価分割する場合の注意点
西宮市で相続不動産の売却をお考えの方へ
相続した不動産を売却するときは、売却価格だけでなく、売却後にどのくらいのお金が手元に残るのかまで考えておくことが大切です。
アイテラス不動産からひとこと
「相続した実家を売ったら税金はいくらかかる?」
「親が買ったときの契約書が見つからない」
「売却してから確定申告が必要だと知った」
このようなご相談も少なくありません。
アイテラス不動産では、相続不動産の査定・売却だけでなく、売却後の手続きも見据えて、必要に応じて税理士・司法書士などの専門家と連携しながら進めていきます。
まとめ|相続不動産は売却前から確定申告を意識しておこう
相続した不動産を売却した場合、譲渡所得が生じれば原則として確定申告が必要になります。
また、相続空き家の3,000万円特別控除や相続税の取得費加算など、特例を利用するために確定申告が必要となる場合もあります。
特に重要なのは、親などが不動産を購入したときの売買契約書や、売却にかかった費用の領収書を残しておくことです。
「売却してから税金を考える」のではなく、査定・売却を始める段階から税金についても確認しておくことで、より安心して相続不動産の売却を進めることができます。
※本記事は2026年時点の一般的な制度をもとに作成しています。譲渡所得、取得費、譲渡費用、相続税の取得費加算、各種特別控除などの適用可否は、個別の相続・売却状況によって異なります。具体的な税務については、税務署または税理士へご確認ください。

