
不動産を売却するとき、「どこまで買主に伝えればいいの?」と迷う売主の方は少なくありません。
雨漏りやシロアリのような建物の不具合だけでなく、境界・越境、設備の故障、周辺環境など、売却前に確認しておきたいことはさまざまです。
先に結論
不動産売却では、売主が知っている物件の不具合や、買主の購入判断に影響する可能性がある事実を、自己判断で隠さないことが大切です。
「これは言わなくてもいいかな?」と迷った場合は、まず仲介する不動産会社へ伝えましょう。
そのうえで、物件状況報告書(告知書)や設備表、売買契約書などにどのように反映するかを確認します。
今回は、西宮市で不動産売却を検討している方に向けて、売主が知っておきたい「告知」の基本と、売却前に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
不動産売却の「告知」とは?
不動産売却における告知とは、売主が把握している物件の状態や過去の出来事などについて、買主へ情報を伝えることです。
中古住宅の場合、不動産会社が調査しただけでは分からないこともあります。
例えば、過去の雨漏りや設備の不具合などは、実際にその住宅で暮らしていた売主だからこそ知っている場合があります。
そのため、売主が把握している情報を整理して、不動産会社や買主へ適切に伝えることが重要です。
告知が必要になる可能性がある主な内容
実際にどの事項を告知する必要があるかは、物件や契約内容などによって異なります。
代表的な確認項目としては、次のようなものがあります。
売却前に確認しておきたいこと
□ 雨漏り・漏水
□ シロアリ被害
□ 建物の傾き・腐食など
□ 給排水管などの不具合
□ 給湯器・住宅設備などの故障
□ 境界・越境に関すること
□ 増改築・修繕などの履歴
□ 土地・建物の利用に関する事項
□ 周辺環境について把握している事項
□ その他、買主の判断に影響する可能性がある事項
① 雨漏り・漏水
現在雨漏りしている場合だけでなく、過去に雨漏りがあり修理したことがある場合も、自己判断で省略せず不動産会社へ伝えましょう。
「修理したからもう関係ない」と考えるのではなく、いつ頃、どこで発生し、どのような修理をしたのか分かる範囲で整理しておくとスムーズです。
② シロアリ被害
現在の被害だけでなく、過去にシロアリ被害があり、駆除や補修を行った場合なども不動産会社へ伝えておきましょう。
過去の点検記録や工事資料、保証書などが残っている場合は、一緒に準備しておくと確認しやすくなります。
③ 建物や給排水管などの不具合
建物の傾き、腐食、給排水管の不具合など、売主が把握している問題がある場合も確認が必要です。
原因が分からない場合でも、「原因が分からないから伝えない」のではなく、現在把握している状況を不動産会社へ伝えましょう。
④ 給湯器・エアコンなど設備の故障
建物だけでなく、買主へ引き渡す設備の状態も確認しておきます。
例えば、給湯器の一部機能が使えない、エアコンから異音がするなど、把握している故障や不具合がある場合は設備表などで確認します。
また、現在設置されていても新居へ持っていく設備については、買主へ引き渡さないことを明確にしておくことが大切です。
⑤ 境界・越境に関すること
土地や戸建ての売却では、境界や越境についても確認しておきたいポイントです。
例えば、隣地の屋根や樹木、塀などが境界を越えている、または自分の建物などが隣地側へ越境していることを把握している場合は、不動産会社へ伝えましょう。
境界が分からない場合も、「問題なし」と決めつけず、境界標や測量図などの資料があるか確認します。
⑥ 増改築・修繕などの履歴
増築や間取り変更、大規模な修繕、リフォームなどを行っている場合は、時期や工事内容を整理しておきましょう。
工事の契約書、図面、保証書などが残っている場合は、不動産会社へ確認してもらうとスムーズです。
⑦ 周辺環境について把握していること
物件そのものだけでなく、買主の購入判断に影響する可能性がある周辺環境についても、告知が問題になる場合があります。
ただし、周辺環境について「どこまで告知する必要があるのか」は内容や程度などによって判断が異なります。
判断に迷ったら自分で決めない
「これは告知するほどではないかな?」
「近所のことまで言う必要がある?」
と迷った場合は、まず不動産会社へ伝えて判断を仰ぐのがおすすめです。
事故・事件などがあった物件は?
過去に人の死があった不動産については、内容によって買主への告知が必要になる場合があります。
ただし、「人が亡くなったことがあればすべて同じように告知する」という単純なものではありません。
死亡の原因、発見までの状況、取引の種類などによって考え方が異なるため、売主だけで告知の要否を判断しないことが大切です。
特に注意
事故・事件・人の死などに関する事項は、国土交通省のガイドラインなども踏まえて個別に判断する必要があります。
把握していることがあれば、まず仲介する不動産会社へ正確に伝えましょう。
「昔のことだから言わなくてもいい」は危険
売主が特に気をつけたいのが、過去の出来事を自分の判断だけで省略してしまうことです。
「10年以上前だから」「修理済みだから」「今は問題ないから」といった理由だけで、伝えなくてよいとは限りません。
過去のことであっても、買主の判断に影響する可能性があると感じた場合は、不動産会社へ伝えておきましょう。
知らないことまで調べて答えないといけない?
相続した実家や長期間空き家になっている住宅などでは、売主自身が物件の状態を詳しく把握していないことがあります。
その場合、分からないことを無理に推測して「問題なし」と回答するのは避けましょう。
「不明」と「問題なし」は違います
知らないことを知っているように回答する必要はありません。
把握していない事情がある場合は、そのことを不動産会社へ伝え、必要な確認方法や書類への記載方法を相談しましょう。
物件状況報告書(告知書)に正確に記入する
売主が把握している物件の状況は、物件状況報告書(告知書)などを使って買主へ伝えることがあります。
不動産会社任せにするのではなく、売主自身が内容を確認し、分かる範囲で正確に記入することが大切です。
設備については、設備表を使って引き渡す設備の有無や故障・不具合などを確認します。
告知と契約不適合責任の関係
告知は、契約不適合責任とも関係する重要なポイントです。
中古住宅では、単に「不具合があるかどうか」だけでなく、どのような状態の不動産として売買契約をしたのかが重要になります。
そのため、売主が把握している不具合などを適切に伝え、その内容を契約書や関連書類に反映しておくことが、引渡し後のトラブル防止につながります。
売却前に売主が確認したい7つのポイント
告知前チェックリスト
① 現在の不具合を整理する
② 過去の不具合・修理履歴を思い出す
③ 引き渡す設備の状態を確認する
④ 境界・越境など把握していることを整理する
⑤ 手元にある修理記録・図面・保証書などを確認する
⑥ 分からないことを推測して回答しない
⑦ 迷ったことは契約前に不動産会社へ伝える
よくある質問
Q1. 修理済みの雨漏りも伝えた方がいい?
自己判断で省略せず、不動産会社へ伝えておくことをおすすめします。
修理時期や修理内容が分かる資料があれば、一緒に確認してもらいましょう。
Q2. 壊れている給湯器があっても売却できますか?
設備が故障しているからといって、必ず修理してからでなければ売却できないとは限りません。
大切なのは、故障を把握している場合にその状態を伝え、どのような条件で引き渡すのか確認することです。
Q3. 相続した家なので昔のことが分かりません。どうすればいい?
分からないことを推測して回答する必要はありません。
長期間住んでいないことや把握していないことを不動産会社へ伝え、必要な確認方法について相談しましょう。
Q4. 近隣トラブルも告知する必要がありますか?
内容や程度などによって判断が異なります。
買主の購入判断に影響する可能性があると感じる事情を把握している場合は、自己判断で省略せず不動産会社へ相談しましょう。
Q5. 家で人が亡くなった場合は必ず告知が必要?
すべての死亡について一律に同じ告知が必要になるわけではありません。
死亡の原因や状況、取引の種類などによって判断が異なるため、不動産会社へ事実を伝えたうえで確認しましょう。
Q6. 告知するか迷ったらどうすればいい?
迷った場合は「伝えない」と自己判断せず、まず仲介する不動産会社へ伝えるのがおすすめです。
必要に応じて専門家への確認も行いながら、告知方法や契約書への反映を検討します。
まとめ|「これも言うべき?」と迷ったらまず相談
売主が覚えておきたいポイント
① 現在の不具合だけでなく過去の状況も確認する
② 修理済みでも自己判断で省略しない
③ 設備・境界・越境なども確認する
④ 分からないことを「問題なし」と書かない
⑤ 物件状況報告書・設備表を正確に確認する
⑥ 告知が必要か迷ったら不動産会社へ相談する
不動産売却では、「余計なことを言うと売れなくなるのでは?」と心配になることもあるかもしれません。
しかし、売主が把握している重要な情報を事前に整理して伝えておくことは、買主に安心して検討してもらうためにも大切です。
「言わなくても大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、迷ったことも含めて不動産会社へ伝える。
西宮市で不動産売却をご検討中の方は、契約後のトラブルを防ぐためにも、物件の状態を一つずつ確認しながら売却を進めていきましょう。
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