
「親からマンションを相続したけれど、現在も入居者が住んでいる」
「入居者がいる状態でも売却できる?」
「売却するなら、入居者に退去してもらわないといけない?」
賃貸中のマンションを相続すると、自分が住んでいた家や空き家を相続した場合とは違い、入居者との賃貸借契約がある状態で不動産を引き継ぐことになります。
そのため売却するときも、単にマンションの価格を査定するだけではなく、家賃、賃貸借契約、敷金などの預り金、管理状況などを整理しておくことが大切です。
今回は、西宮市で賃貸中のマンションを相続した方に向けて、入居者がいる状態で売却する方法と、売却前に確認したいポイントを解説します。
賃貸中のマンションは、入居者がいるから売却できないわけではありません。賃貸中の状態で次の所有者へ売却する「オーナーチェンジ」という方法があります。
賃貸中のマンションでも売却できる?
賃貸中のマンションでも売却を検討できます。
入居者が住んでいる状態のまま、投資用不動産として新しい所有者へ売却する方法があり、一般に「オーナーチェンジ」と呼ばれています。
売却後は新しい所有者が賃貸人となり、家賃収入を得ながら賃貸経営を引き継いでいく形になります。
そのため、相続したマンションを売却するためだけに、入居者へ退去してもらうことを前提に考える必要はありません。
オーナーチェンジとは?
オーナーチェンジとは、入居者との賃貸借関係が続いている状態で、不動産の所有者が変わることをいいます。
↓
相続人がマンションを相続
↓
入居者が住んだまま売却
↓
買主が新しいオーナーになる
購入する側から見ると、すでに入居者がいるため、購入後すぐに家賃収入を見込める物件として検討されることがあります。
売却前にまず確認したい7つのこと
① マンションの名義・相続登記
② 賃貸借契約書
③ 現在の家賃・共益費
④ 敷金・保証金などの預り金
⑤ 家賃滞納の有無
⑥ 管理会社・管理委託契約
⑦ 修繕・設備の状況
① 名義と相続登記を確認する
最初に、不動産の現在の名義を確認します。
亡くなった方の名義のままの場合、実際の売却に向けては相続関係を整理し、必要な相続登記を進めます。
相続人が複数いる場合には、誰がマンションを相続するのか、売却するのか保有を続けるのかについても確認しておきましょう。
まだ相続登記が終わっていなくても、売却査定や不動産会社への相談を先に始めることはできます。
② 賃貸借契約書を確認する
賃貸中マンションの売却では、賃貸借契約書が重要な資料になります。
- 入居者・契約者
- 月額賃料
- 共益費・管理費
- 敷金・保証金
- 契約開始日
- 契約期間
- 更新条件
- 普通借家・定期借家などの契約内容
- 特約
- 駐車場や駐輪場などの契約
契約書に記載された内容と、現在実際に行われている賃貸条件が一致しているかも確認しておきましょう。
③ 現在の家賃と入金状況を確認する
オーナーチェンジ物件では、現在いくらの家賃収入があるのかが購入希望者にとって重要な情報になります。
- 家賃はいくらか
- 共益費はいくらか
- 毎月きちんと入金されているか
- 家賃滞納はないか
- 更新料などはあるか
親が長期間所有していたマンションでは、現在の募集相場より低い家賃で長く入居しているケースもあります。
売却査定では、想定家賃だけではなく、現在実際に受け取っている家賃も重要になります。
④ 敷金・保証金などの預り金を確認する
入居者から敷金や保証金などを預かっている場合は、その金額を確認します。
オーナーチェンジでは、入居者との契約関係や預り金の扱いについて、売買契約時に整理する必要があります。
「親がいくら預かっていたのか分からない」という場合は、賃貸借契約書、管理会社の資料、通帳などから確認しましょう。
売却価格だけを決めて終わりではありません。賃貸中のマンションでは、入居者との契約・預り金・家賃など、次のオーナーへ引き継ぐ内容を整理することが重要です。
⑤ 家賃滞納や入居者とのトラブルがないか確認する
家賃滞納がある場合や、入居者との間で何らかのトラブルが続いている場合は、不動産会社へ事前に伝えておきましょう。
- 家賃滞納
- 騒音などの苦情
- 契約条件についてのトラブル
- 設備故障への対応中
- 退去予定の連絡を受けている
後から判明するより、査定段階から状況を共有しておく方が売却条件を検討しやすくなります。
⑥ 管理会社との契約を確認する
賃貸管理を管理会社へ委託している場合は、管理委託契約についても確認しましょう。
- 管理会社名
- 管理手数料
- 管理業務の内容
- 契約期間
- 解約条件
- 家賃の送金方法
相続によってオーナーが変わったことを管理会社へ連絡していない場合は、早めに確認します。
管理会社には賃貸借契約書、入居状況、家賃入金、過去の修繕などの資料が残っている場合があります。
⑦ 管理費・修繕積立金を確認する
区分マンションの場合は、入居者から受け取る家賃とは別に、所有者が管理組合へ支払う管理費・修繕積立金があります。
- 管理費
- 修繕積立金
- その他の管理組合への支払い
- 固定資産税・都市計画税
- 賃貸管理会社への管理手数料
購入希望者は家賃収入だけではなく、毎月どれくらいの支出があるのかも確認します。実際の収支が分かるように整理しておきましょう。
賃貸中マンションの査定価格はどう考える?
自分が住むためのマンションと、賃貸中の投資用マンションでは、購入する人の目的が異なります。
オーナーチェンジ物件では、次のような点を確認しながら査定します。
- 現在の家賃
- 年間家賃収入
- 管理費・修繕積立金
- 賃貸管理費
- 築年数
- 立地
- マンションの管理状態
- 周辺の賃貸需要
- 同様の投資用物件の取引状況
そのため、「同じマンションの空室住戸が○○万円で売れたから、賃貸中の部屋も同じ価格になる」とは限りません。
利回りも購入希望者の判断材料になる
投資用マンションでは、家賃収入に対して購入価格がいくらなのかという「利回り」も判断材料のひとつになります。
例えば、月額家賃が10万円なら年間家賃収入は120万円です。
物件価格が2,000万円の場合、単純計算した表面利回りは6%になります。
= 表面利回り6%
ただし、表面利回りには管理費・修繕積立金・固定資産税・賃貸管理費などの支出は含まれていません。
入居者へ「売却します」と先に伝えるべき?
売却を検討し始めた段階で、売主の判断だけで入居者へ「売却するので退去してください」などと伝えるのは避けましょう。
賃貸中のまま売却するのであれば、現在の賃貸借関係を前提に売却を進めることになります。
入居者へどのような案内を行うのか、いつ連絡するのかについては、管理会社や不動産会社と相談しながら進めるとよいでしょう。
「売却する=入居者に退去してもらう」ではありません。まずは賃貸中のまま売却するオーナーチェンジが可能か確認しましょう。
室内を見せられなくても売却できる?
賃貸中の場合、所有者だからといって自由に室内へ入れるわけではありません。
そのためオーナーチェンジ物件では、空室物件のように購入希望者が室内を確認してから購入するとは限りません。
- 間取り図
- 過去の室内写真
- 設備情報
- 賃貸借契約書
- 家賃入金状況
- マンションの管理状況
こうした資料をできるだけ揃えておくと、購入希望者が検討しやすくなります。
空室になってから売る方法もある?
入居者からすでに退去予定の連絡がある場合などは、退去後に空室として売却する方法を検討することもあります。
空室になれば、自宅用マンションを探している購入希望者も検討できる可能性があり、室内を実際に見てもらいやすくなります。
一方、退去後は家賃収入がなくなり、売却まで空室期間が続く可能性があります。
そのため、「賃貸中のまま売る場合」と「空室になってから売る場合」の査定価格や販売方法を比較して判断しましょう。
売却前にローン・抵当権も確認する
亡くなった方が投資用ローンなどを利用していた場合は、借入残高や抵当権の状況も確認します。
金融機関との契約内容や団体信用生命保険などによって状況が異なるため、借入がある場合は金融機関へ確認しましょう。
相続した賃貸中マンションを売却したときの税金
相続したマンションを売却して譲渡所得が生じた場合は、原則として確定申告が必要になります。
相続した土地・建物については、原則として亡くなった方の取得費と取得時期を引き継いで計算します。
賃貸に使用していた建物部分については減価償却も関係するため、亡くなった方の購入時の売買契約書や過去の確定申告資料などが残っていれば保管しておきましょう。
取得費が分からない場合などには、一定のルールにより売却金額の5%相当額を概算取得費として計算できる場合があります。
相続した賃貸中マンションを売却する流れ
↓
② 管理会社へ連絡
↓
③ 賃貸借契約・家賃・預り金を確認
↓
④ 不動産会社へ査定を依頼
↓
⑤ 相続登記など必要な手続きを進める
↓
⑥ オーナーチェンジとして販売
↓
⑦ 売買契約
↓
⑧ 決済・引渡し
↓
⑨ 賃貸関係・預り金等を整理して引継ぎ
↓
⑩ 必要に応じて翌年に確定申告
売却前チェックリスト
✓ 登記名義・相続関係
✓ 賃貸借契約書
✓ 現在の家賃・共益費
✓ 家賃の入金状況
✓ 敷金・保証金などの預り金
✓ 管理会社との契約
✓ 管理費・修繕積立金
✓ 固定資産税・都市計画税
✓ 修繕・設備交換の履歴
✓ 入居者とのトラブルの有無
✓ 借入残高・抵当権
✓ 購入時の売買契約書
✓ 過去の確定申告資料
よくある質問
Q1. 入居者が住んでいてもマンションを売却できますか?
売却を検討できます。賃貸中の状態で投資用不動産として売却する「オーナーチェンジ」という方法があります。
Q2. 売却するために入居者へ退去してもらう必要がありますか?
賃貸中のまま売却する場合、売却するという理由だけで退去を前提にする必要はありません。まず現在の賃貸借契約を確認し、オーナーチェンジとして売却できるか検討しましょう。
Q3. 入居者に売却することを伝える必要がありますか?
売却の進め方や契約内容によって対応を確認する必要があります。管理会社や売却を依頼する不動産会社と相談して進めましょう。
Q4. 相続登記が終わっていなくても査定できますか?
査定や売却相談は先に進めることができます。実際の売却に向けて、相続関係を整理し、必要な相続登記を進めます。
Q5. 賃貸借契約書が見つからない場合はどうしたらいいですか?
管理会社へ委託している場合は、管理会社が契約書などを保管している可能性があります。家賃の入金履歴や通帳なども確認し、現在の契約状況を整理しましょう。
Q6. 賃貸中のまま売るのと空室になってから売るのはどちらがいいですか?
物件によって異なります。賃貸中なら投資用物件として、空室なら自宅用として購入を検討する人も対象になる可能性があります。現在の家賃、査定価格、退去予定などを確認し、両方を比較しましょう。
Q7. 相続した賃貸マンションを売ったら確定申告は必要ですか?
売却によって譲渡所得が生じた場合は、原則として確定申告が必要です。賃貸に使用していた建物は減価償却なども関係するため、税務署または税理士へ確認しましょう。
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西宮市で賃貸中のマンションを相続した方へ
賃貸中のマンションを相続すると、不動産だけでなく、入居者との契約や家賃、管理会社とのやり取りなども引き継ぐことになります。
まずは賃貸借契約や収支を整理し、「賃貸経営を続ける」「賃貸中のまま売る」「将来空室になってから売る」などの選択肢を比較してみることが大切です。
アイテラス不動産では、西宮市の賃貸中マンションについて、現在の賃貸条件を確認したうえで、オーナーチェンジとして売却する場合の査定や売却方法についてご相談いただけます。
「相続したばかりで契約内容が分からない」「管理会社へ何を確認したらいいか分からない」という段階でも、まずは資料を整理するところからご相談ください。
本記事は2026年時点の制度・一般的な不動産取引をもとにまとめています。賃貸借契約の承継、預り金の取扱い、売却時の税務・登記などは個別の契約内容や相続状況によって異なります。必要に応じて弁護士・税理士・司法書士等の専門家へご確認ください。

